青色申告のメリットとデメリット

Photo by rawpixel on Unsplash
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※青色申告者になると特典を与えられる反面、義務も生じます。

メリット

青色申告特別控除を10万円もしくは65万円受けられる

控除というのは実際には支払っていないのに、税金の計算のもとから引いてもらえる額のことです。これにより所得税、住民税、さらに国民健康保険の掛金まで安くなります。

赤字の場合、最大3年間繰越せる

白色申告の場合は、単年度ごとの決算になりますので、赤字はその年で終わり、翌年の黒字は全額黒字として税金の計算をしますが、青色申告の場合は最大3年間赤字を繰越せるので、長期的にもお得になります。また前の年の黒字を繰り戻すこともできます。

減価償却資産に繰入れるべき額が、10万円から30万円になる

「儲かっているから古いパソコンを買い替えよう」と考えるのは人情ですが、高額な物品はその年1年だけで経費にすることができず、減価償却資産として数年間に分けて経費にするというルールになってます。
この1年で経費にすることができるかどうかの額が青色申告だと30万円以下ですが、白色申告の方は10万円以下となります。

デメリット

都市伝説のように「青色申告だと帳簿が面倒」と言われていますが、白色申告でも確定申告をするためには、ご自身の事業でいくら儲かったのかを把握しなければいけませんから、結局は青色も白色も同じことをすることになります。
よって青色申告にすることによって生じるデメリットは「ありません」が、確定申告の期限内に申告をしないと青色申告の特典を受けることができなくなります。

 

【固く解説すると】

青色申告の主な特典

1.青色申告特別控除

正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳している事業所得者・事業的規模の不動産所得者が、記録に基づいて作成した貸借対照表と損益計算書を申告期限内に提出した場合は、最高65万円を差し引くことができる。

簡易な帳簿による記帳の場合は、最高10万円を差し引くことができる(この場合は、不動産所得は事業的規模でなくてもよい。)。

2.青色事業専従者給与

事業主と生計を一にしている配偶者や15歳以上の親族が、その事業に専ら従事しており、作業の内容や従事程度に応じた適正な金額を支払った場合、その支払金額を必要経費とすることができる。ただし、適用を受けようとする年の3月15日までに「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出している場合に限る(不動産所得者は事業的規模であること。)。

3.純損失の繰り越し

損失の生じた年に青色申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合には、事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。

4.純損失の繰戻し

前年分について青色申告書を提出しており、損失が生じた年分の青色申告書を期限内に提出している場合には、純損失の繰り越しに代えて、損失金額を前年分の所得金額に繰り戻して、前年分の所得金額の還付を受けることができる。